静岡県のイセエビの漁獲量は、千葉、和歌山に続く全国第三位です。特に南伊豆と下田での漁獲量は、県内の漁獲量の50%を占め、全国でも有数のイセエビ産地となっています。
この地域では、毎年9月中旬〜5月中旬までイセエビ漁が解禁となります。
伊豆のイセエビの産卵は、5〜10月頃で、卵からふ化すると透明で葉のように薄い体と長い脚をもつ「フィロゾーマ幼生」になり、約1年間浮遊生活しながら十数回脱皮し、成長します。
その後、約10日間、親と同じ形をした透明な「プエルルス幼生」の期間を経て、沿岸の海藻の間などに着底し、「稚エビ」になります。プエルルス幼生から稚エビの間は、岩の小さな穴を巣として独りで生活しているようです。
定底から一年くらいたつと巣穴の生活をやめ、岩の裂け目などに数尾まとまって生活するようになります。
しかしながら、どこで生まれ、どのように生活し、どのように沿岸に来るのか、プエルルス以前の生態は、ほとんどわかっていません。
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